Reform Column

リフォームコラム

2025.06.25

Vol.100 中古マンションリフォームの補助金・物件選びのコツ【2025年版】

pixta_4118340_M

新築マンションの価格が著しく高騰していることもあって「中古マンションを購入してリフォーム・リノベーションしよう」とお考えの方も多いのではないでしょうか。新築と比べて安価な中古マンションを購入すれば、リフォーム費用を加味したとしても、お得にマイホームを取得できます。また、近年はリフォームに対する補助金制度も充実しています。ただし、マンションの構造や規約によって希望のリフォームができない可能性もあるため、事前に改修しやすい物件かどうかを見極めなければなりません。

そこでこの記事では「中古マンション+リフォーム」を検討している方に向け、メリット・デメリットや補助金制度、物件選びのポイントを紹介します。

 

「中古マンション購入+リフォーム」のメリット・デメリット

一口にマンションといっても、選択肢は新築マンションや中古マンション、リノベーション済みマンションなど多岐にわたります。「中古マンション購入+リフォーム」のメリット・デメリットは次のとおりです。

メリット デメリット
  • リフォーム費用を含めても新築マンションより安価
  • 物件の選択肢が広がる
  • ライフスタイルや好みにあった住まいになる
  • 予算を立てづらい
  • リフォーム内容が制約される場合がある

■メリット

・リフォーム費用を含めても新築マンションより安価

首都圏における2025年5月の新築マンションの平均価格は、9,396万円でした。東京23区に限定すると1億4,049万円です。(不動産経済研究所調べ)一方、同時期の中古マンションの平均価格は、首都圏全域が5,311万円、東京都23区が7,556万円。(東日本不動産流通機構調べ)エリアや築年数次第ではさらに安価です。

フルリフォームしたとしても多くの場合、1,000万円前後、局所的なリフォームであれば数十万円〜数百万円に抑えられることから、新築マンションと比べて安くマイホームを取得できます。

・物件の選択肢が広がる

新築マンションの供給数は、減少傾向にあります。2025年5月に首都圏で供給された新築マンションは約1,300戸でしたが、首都圏で販売されている中古マンションは4万戸を超えます。数が多い分、予算や立地、広さ、管理状態など、希望にあった物件を選びやすいといえるでしょう。リフォーム前提であることから、間取りや状態はある程度妥協できます。

・ライフスタイルや好みに合った住まいになる

中古でも新築でも、間取りや広さ、デザインなど、すべての条件が希望どおりのマンションに出会えるのは稀です。一方、リフォームすればライフスタイルや家族構成、好みに合わせて住まいをカスタマイズできます。

■デメリット

・予算を立てづらい

中古マンションのリフォーム費用は、物件の状態やリフォーム範囲によって大きく異なります。加えて、リフォーム中に想定外の補修を要する可能性もあります。購入費用に加えてリフォーム費用がかかるため、慎重に資金計画を立てる必要があります。

・リフォーム内容が制約される場合がある

マンションには管理規約や構造上の制限があるため、希望するリフォームができないこともあります。たとえば、水回りの移動や壁の撤去が禁止されていたり、フローリングへの変更に防音性能の基準が設けられていたりする場合があるため、事前確認が必要です。

デメリットを解消するコツ

中古マンションを仲介してくれる不動産会社は、不動産取引のプロであり、建物や改修のプロではありません。リフォーム前提で中古マンションを購入する場合は、できれば物件選びの段階でリフォーム業者に相談し、伴走してもらう形で進めることをおすすめします。

事前にリフォーム会社に物件を見てもらうことで、できるリフォーム・できないリフォームと予算が明確になり、購入後に希望の改修ができないことが発覚したり、予想外の費用が発生したりする可能性が低くなります。

 

リフォーム前提で中古マンション選ぶ際のポイント

画像1

リフォームを前提に中古マンションを選ぶ際には、次のポイントをよく確認しておきましょう。

構造

壁紙や設備の交換は多くのマンションで実現可能ですが「間取り変更」となると話は別です。壁式構造と呼ばれる壁で支える構造のマンションは、間仕切り壁などがコンクリートでできているため、基本的に撤去や移動ができず、間取りの変更がしづらくなります。

一般的に、間取りの変更がしやすい構造は、間仕切り壁が木や軽量鉄骨でできているマンションです。間仕切り壁が木や軽量鉄骨であれば、壁を取り払ったり、壁に室内窓やドアを取り付けたりしやすくなります。マンションの外壁(部屋全体を囲んでいる部分)は共有部分にあたり、個人が改修できないため、コンクリートでできていても問題ありません。

床下や天井裏

リフォームは間取り変更だけではありません。水回りや照明機器を自分好みのものや場所に変更することもあるでしょう。

水回りの機器の場所を移動するとなると、それに伴って床下の給排水管の移動も必要になります。給排水管は床下を通ってパイプスペースにつながっているため、床下の空間に余裕がなければ場所を移動できません。

同様に、天井に取り付ける照明器具の移動の際も天井裏の配線を通しておこなうことになります。床下や天井裏にスペースがないマンションの場合、配線が露出してしまい、理想の住居空間を作ることが難しくなるかもしれません。二重床や二重天井のマンションは床下や天井裏の空間に余裕があるため、物件選びの際に確認してみましょう。

管理規約

マンションの構造がリノベーション向きであっても、マンションの管理規約によっては、フローリングの張り替えが禁止されていたり、水回りの移動を禁止していたり、自分の希望通りのリノベーションができない場合があります。マンションの管理規約はマンションごとに異なるため、購入前にしっかり確認しておくことが大切です。

その他のチェックポイント

マンションの構造や状態によっては、リノベーション費用がかさむものがあります。たとえば断熱性が低いマンションだと、断熱性を高めるためのリノベーションをおこなう必要も出てくるため、その分、費用がかさむ可能性があります。

 

 【2025年版】中古マンションのリフォームで利用できる補助金制度

中古マンションのリフォームに対する補助金制度は、非常に充実しています。国と区など助成主体が異なる制度は、基本的に併用できます。一部、事業者が指定されていたり、改修前に申請したりしなければならない制度も含まれるため、事前に要件などを確認しておきましょう。

※いずれの制度も2025年6月現在の情報

子育てグリーン住宅支援事業

子育てグリーン住宅支援事業は、国交省など三省連携で行っている家庭部門の省エネ促進事業「住宅省エネ2025キャンペーン」の一つです。事業名に「子育て」とありますが、リフォームについては子育て世帯以外も対象になっています。

下表の必須工事のうち、すべて実施する場合の補助上限額は60万円/戸。2つを実施する場合の上限額は40万円/戸です。

補助対象事業 区分 カテゴリー
リフォーム 必須工事
  1. ①開口部の断熱改修
  2. ②躯体の断熱改修
  3. ③エコ住宅設備の設置
任意工事
  1. ④子育て対応改修
  2. ⑤防災性向上改修
  3. ⑥バリアフリー改修
  4. ⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
  5. ⑧リフォーム瑕疵保険等への加入

補助対象リフォームの詳細は、「子育てグリーン住宅支援事業」公式ホームページをご参照ください。

先進的窓リノベ2025事業

先進的窓リノベ2025事業も「住宅省エネ2025キャンペーン」の一つです。補助対象は窓や玄関ドアなどの開口部ですが、マンションの開口部は共用部にあたるため、基本的に個人の判断でリフォームはできません。しかし、内窓の設置であれば共用部の改修にあたらないため、多くのマンションで実施可能です。

補助上限額は200万円/戸。対象となる内窓の詳細は、「先進的窓リノベ事業」公式ホームページをご参照ください。

給湯省エネ2025事業

給湯省エネ2025事業も「住宅省エネ2025キャンペーン」の一つで、高効率な給湯機の導入に対する補助事業です。購入だけでなく、リースにも補助金が支給されます。

設置する給湯器 補助額
(基本額)
補助上限
ヒートポンプ給湯機(エコキュート) 6万円/台 共同住宅等:
いずれか1台まで
電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機
(ハイブリッド給湯機)
8万円/台
家庭用燃料電池(エネファーム) 16万円/台

そのほか、性能や撤去の有無による加算額があります。詳細は「給湯省エネ2025事業」公式ホームページをご参照ください。

介護保険法に基づく住宅改修費の支給

要支援および要介護の認定を受けた方が自宅に手すりを付けたり、段差を解消したりするなどの改修を行った場合、20万円まで(所得に応じて1割から3割自己負担)支給されます。

詳しくは、お住まいの市区町村にお問い合わせください。

東京23区が主体の補助金制度(一例)

制度名 対象 補助額
足立区 住宅改良助成 バリアフリー改修 上限30万円
家庭用燃料電池システム購入費補助金 エネファームの設置 5万円
蓄電池設置費補助金 蓄電池の設置 5万円
節水型トイレ設置費補助金 節水型トイレの設置 3万円
葛飾区 エコ助成金 太陽光発電システム・エネファーム等 葛飾区
サイト
参照
自立支援住宅改修費助成 バリアフリー改修 上限20万円
江戸川区 住まいの改良助成 バリアフリー改修 上限200万円
中央区 自然エネルギー・省エネルギー機器等 導入費助成 蓄電池・エアコンなど 上限42万円(住宅)

各自治体で利用できる最新の補助金・助成金情報は、「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」(一般社団法人住宅リフォーム推進協議会)から検索できます。

 

中古マンションのリフォーム事例

セイズでは、これまで多くの中古マンションをリフォームさせていただきました。マンションのフルリノベーションは、980万円〜。設備の変更や省エネ、断熱、バリアフリーなどのリフォームも承っております。マンションの構造や管理規約、リフォーム細則を考慮して改修内容をご提案いたしますので、安心しておまかせください。

セイズの施工事例一覧はこちら

事例①駅近マンションで断熱リノベーション

葛飾区高砂2
窓にはインプラス(二重サッシ)を採用し、断熱性能を高めるだけでなく、駅近物件特有の踏切の音もしっかりカット。駅近の便利さと、静かな住環境を両立。

葛飾区高砂1

床にはご夫婦こだわりの無垢フローリングを採用し、素足でも心地よい自然素材のぬくもりを感じられる空間に。
室内は奥様のお好きなホワイトとグレーを基調にやさしい光が差し込む明るいトーンでまとめました。

リフォームデータ

所在 葛飾区高砂
改修規模 マンションフルリノベーション
築年数 29年
施行期間 2.5ヶ月
総工事費 1,100万円

事例の詳細はこちら

事例②夫婦2人の将来を考えたバリアフリーリノベーション

綾瀬1

お子さま二人の独立を機に、ご夫婦おふたりの新たな暮らしをより快適で自分たちらしく楽しめるようフルリノベーションを実施。暗く閉塞感のあったL型キッチンは、光と風が通り抜けるペニンシュラキッチンへ一新。LDK全体をひと続きの広々とした空間とし、会話が自然に弾む住まいの中心を創出しました。

綾瀬2

また、家全体の段差を解消することで、洗面所や室内の移動をスムーズにしたバリアフリー設計。寝室はベッドを縦に並べられるレイアウトで、将来的な介護にも配慮しています。

リフォームデータ

所在 足立区綾瀬
改修規模 フルリノベーション
築年数 33年
施行期間 2.5ヶ月
総工事費 1,200万円

事例の詳細はこちら

事例③和室を一体化し、リビングを広く開放的に

墨田区東向島1

長年住み慣れたお住まいを「より使いやすく、快適にしたい」とリノベーションのご相談をいただきました。思い出の詰まったお部屋なので、可能な限り既存を活かしながらも、設備機器や天井・壁・フローリングは一新。暮らしの質を上げるようなすっきりとした内装へと生まれ変わりました。

墨田区東向島

中でも大きく変わったのは、LDK。リビングの隣にあった和室を一体化しリビングを拡張。一つに繋がり、広く開放的になったリビングは、家族が自然と集まりたくなるような、居心地の良い空間になりました。

リフォームデータ

所在 墨田区向島
改修規模 マンションフルリノベーション
築年数 34年
施行期間 1ヶ月
総工事費 1000万円

例の詳細はこちら

 

まとめ

中古マンションを購入してリフォームするという選択肢は、価格面のみならず、自分の好みや暮らしに合った住まいを実現できる点が魅力です。リフォーム前提で物件を選ぶ際は、構造や管理規約をしっかり確認し、できればリフォーム業者と連携して進めることをおすすめします。2025年現在、リフォームに使える補助金制度も多く用意されており、費用面でのサポートも充実しています。理想の住まいを実現するためにも、物件選びから計画的に取り組みましょう。

リフォームショップセイズは、
性能とデザインを両立させた
フルリノベーションをメインに
展開しております。

リノベーションメニューはこちら

SNSでこの記事をシェアしよう!

  • facebook
  • LINE
  • twitter
コラム一覧へ

カテゴリー

月間アーカイブ

月間アーカイブ

TOP