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Vol.60 断熱性が優れている?複層ガラスの効果とメリットとは【2020年版】

shutterstock_410695357窓は、住宅の断熱性能に大きく影響する部位です。窓から、冬は室内の熱が逃げ、夏は逆に熱が室内に入ってくるので、窓の断熱性が低いと、冬は寒く、夏は暑い家ができてしまいます。最近では、断熱性アップのために「複層ガラス(ペアガラス)」を採用するハウスメーカーや工務店も増えています。ここでは、複層ガラスのしくみや効果をご説明しましょう。

 

複層ガラスとは

一般的な窓には、1枚のガラス(単板ガラス)が使われています。それに対し、ガラスを二重にしたのが複層ガラスです。2枚のガラスの間には、乾燥した空気が封入されており、断熱材の役割を果たします。中には、空気よりも熱伝導率が低い、つまり熱を伝えにくいアルゴンガスを封入したものもあります。ガラスの間の空気層が厚いほど、断熱性は高くなります。ガラスを3枚にしたものもあり、これはトリプルガラスと呼ばれます。

 

二重窓との違い
マンションなどで、サッシ自体がふたつ取り付けてあるのを見たことはありませんか?
ガラスではなくサッシを二重にする手法を「二重窓」といい、室内側に付けるサッシは内窓やインナーサッシと呼びます。マンションでは、居住者が勝手に窓の工事を行うことはできないので、複層ガラスと同様の効果を得るためにこのような手法を取ることが主流になっています。また、工事費用が安いため、リフォームでは内窓をつけるケースも多いようです。

 

複層ガラスのメリット
複層ガラスを使うと、室内外から流出入する熱の量を、大幅に減らすことができます。冬は、暖房で暖めた室内の空気が冷えにくく、夏は暑い外気温によって室温が上昇するのを防ぎます。一年中快適に過ごすことができますし、冷暖房の効きも良くなってかかる電気代も減るでしょう。冬の結露にお悩みの方も多いでしょう。結露はカビが生える原因にもなり、健康にも良くありません。
結露の原因は、室内の暖かい空気が、窓から伝わる冷気によって冷えてしまうこと。熱が伝わりにくい複層ガラスなら、結露の心配は無用です。また、窓を大きくすると熱の出入口が大きくなってしまうため、単板ガラスではどうしても窓が小さくなりがちでした。しかし、複層ガラスを使えば、リビングの壁の一面を全て窓にしたり、吹き抜けをつくったりしても外気温の影響を受けにくくなるので、昔の住宅にはない、開放的な空間づくりがかのうになります。遮音性や防音性も、単板ガラスに比べれば高くなるので、自動車や電車の騒音が気になる立地や、室内で静かに音楽や映画を楽しみたいという方にもおすすめです。

 

より高性能なLow-E複層ガラス
複層ガラスのバリエーションに「Low-Eガラス」があります。Low-Eは、Low Emissivityの略で「低放射」という意味。ガラスの内側に、特殊な金属をコーティングし、赤外線や紫外線を反射。放射(※)によって熱が伝わるのを防ぎます。結果、通常の複層ガラスよりも断熱性は高く、紫外線によって室内の家具や建具などが傷むのを防ぐ効果も期待できます。

 

※放射は、熱の伝わり方の一種で、熱が赤外線として伝わること。温度が高いものに手をかざすと、直接触らなくても温かさを感じる現象は、放射の原理によるもの。最近では、網入りの防火タイプなど、断熱性以外の機能を持たせたガラスも増えています。

 
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窓の選び方
できれば、全ての窓を複層ガラス(またはLow-E複層ガラス)にするのが、断熱性の観点から言えば絶対におすすめです。しかし、複層ガラスは単板ガラスよりも値段が割高。Low-E複層ガラスや、トリプル価格となるとさらに価格は高くなります。予算には上限があるはずですから、ご自身の予算に合わせ、どの窓を複層ガラスにするかを決めましょう。複層ガラスを使いたいのは、例えばこんな部屋です。

 
〇日中、過ごす時間が長い部屋
 
〇大きな窓をつくりたい部屋
 
〇道路に面していて、外の音が聞こえやすい部屋
 
〇子ども部屋やオーディオルームなど、中で大きな声や音が出る部屋

 
藤村祐介
監修:藤村祐介:セイズ株式会社 住宅デザイン事業部 取締役
一級建築士、一級建築施工管理技士、インテリアプランナー。1981年生まれ、茨城県 出身。大学建築学科卒業後、東京、千葉、名古屋、大阪など首都圏を中心とした住宅設計に携わる。設計事務所、ディベロッパーを経て、2010年セイズ株式会社入社。2010〜2020で約600棟ほど狭小住宅のプランニングを行っている。

 

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