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Vol.72 「防火」と「耐火」はどう違う? 防火構造と耐火構造の特徴

家を建築する際に、気を付けなければならない要素に「防火構造」「耐火構造」の2つがあります。

どちらも「火事になりにくい工夫」と、なんとなく同じ意味に捉えている方も多いでしょう。しかし、両者には明確な違いがあるため注意が必要です。

ここでは、防火構造と耐火構造の違いと特徴についてご紹介します。

 

防火と耐火の違い

「防火」とは周辺の建築物が火災で燃えてしまった場合、その影響を受けない(燃え移るのを防ぐ)ための燃えにくさを表しています。一方で「耐火」とは建物自体の燃えにくさを表しています。「火災が起きた際にその建物自体を倒壊しにくくすること」「周囲の建物に燃え移らないこと」が「耐火」と言えます。

 

防火構造・耐火構造とは

pixta_24952442_M防火構造とは

都市部では隣の家と距離がほとんどない街並みも珍しくありません。そのような場所では、1軒でも火災が発生すると次々に燃え移る可能性があります。

防火構造は、そういった燃え移りを防ぐための工夫です。外壁や軒裏など建物の外側部分に燃えにくい材質が選ばれます。

 

耐火構造とは

耐火構造とは、建物を構成している壁や柱、床の部分に燃えにくい性質を持った鉄骨・レンガなどを使ったの構造のことです。

壁や床が耐火性であれば、室内から火事が起きたとしても、近隣の建物へ燃え移る心配が少なくなります。このように、耐火構造は建物の内側に用いて、建物から建物へと延焼することを防ぐ工夫を指しています。

たとえば、学校やビルの防火扉などもこの耐火構造に当たります。

 

防火構造のメリット・デメリット

防火構造は家の外側に燃えにくい資材を使用しています。

現在では、防火性の高い塗料や石膏ボードが開発されているため費用は安く済みます。また、床や壁が木造でも問題なく用いることができるため、一般的な家は防火構造であることが多いです。

しかし、建物の内側から出火した場合の対策ではないため、火災がその建物内部から起こった場合は短時間で燃えてしまったり、倒壊してしまったりする恐れがあります。

 

耐火構造のメリット・デメリット

shutterstock_556528690建物の内側で火災が起きても、隣接する建物へ燃え移るのを防ぐことができます。

多くの人が集まる施設や高層ビルは、建物内部の一か所で火災が起きても他の場所の全員が安全に避難できるよう耐火構造にしなければいけません。

 

耐火構造は、耐火性のある鉄骨やレンガを使用します。これらの燃えにくい資材は木材と比べると重いため、固い地盤の上に建てなければいけません。このため、建設予定地が軟弱な土地であった場合は、土地の補強から行う必要があります。

以上の理由から、一般的な戸建て住宅で耐火構造を用いるのはコストが高くなりやすいというデメリットがあります。



住宅を建てる際、防火構造と耐火構造をどの程度用いるかを選ぶことになります。

しかし、建物の階数や建っているエリアによって防火性能や、耐火性能を持たせることが義務となる場合があるため注意が必要です。場合によっては防火や耐火の性能を満たさないと、住宅ローンも組めず、火災保険に加入することもできないこともあります。

家を建設する際は、住宅メーカーや専門家に相談するようにしましょう。

 

セイズは、デザインと機能性を両立させた
高耐震デザイナーズのZEH住宅を造り続けています。

  • 5年連続受賞 ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー
  • ZEHビルダー(プランナー評価:最高評価)
  • 7年連測受賞 SW工法の施工棟数全国ナンバーワン
  • 省エネ住宅(BELS評価:最高等級)

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