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Vol.39 新築一戸建て住宅を建てるなら!窓の数と位置に要注意【2020年版】

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注文住宅を建てる時「窓を失敗すると後悔する」というエピソードをよく耳にします。窓の失敗は、実際にその家で生活してみないと気づきにくいもの。設計の段階から、正しい知識に基づいて計画することが大事です。

 
代表的な窓の失敗事例として挙げられるのが

 
・「窓の数を考えなかった」
・「設置する位置を深く考えていなかった」
・「高性能窓を選ばなかった」
・「デザインに凝りすぎた」
・「担当者の言葉を鵜呑みにしてしまった」

 
など。そこで今回は「数」と「位置」のポイントを解説しましょう。

 

■ 窓の数で失敗する原因

窓は、光や風を室内に取り入れるために必要なもの。窓が多いほど、日当たりも風通しも良くなると思いがちですが、やみくもに増やせばいいというものではありません。窓の面積が多いと、その分屋外から室内が見える機会が増えます。お隣との距離が近ければ、あなたのプライバシーが阻害されかねませんし、隣人の立場でも気まずいでしょう。防犯上も、窓の多さは不利になります。空き巣は窓から侵入することが多く、窓を増やすことは侵入経路をつくることになってしまいます。また、窓は住宅の中で最も熱の影響が大きい部位。室内の熱の7割は、窓から逃げたり、侵入してくると言われます。窓が多いと、エアコンなどで空調しても、快適性は下がり光熱費もかかりやすい家になってしまいます。

 

No039_img02_600x400■ 窓の位置で失敗する原因

どのように光が当たるかきちんと考えて窓を配置しないと、せっかく窓をつけたのに日光が入らなかったり、逆に日当たりが良すぎてまぶしく暑い部屋になってしまう可能性もあります。高窓は、採光の観点からは効果がありますが、開閉がしづらかったり、掃除が難しいのが欠点です。窓を開けて外気を入れたいこともあるでしょう。複数の窓が向かい合うように配置しなければ、風が通り抜けないので、通風の効果は期待できません。数の問題と同様、プライバシーや防犯の問題にも関係してきますし、いざ住む段階になって、思った位置に家具を配置できなかったという失敗談もしばしば聞かれます。

 

■ 窓の失敗学 実例

(1) 失敗例

・洗濯機の真上に窓がきてしまって開閉しづらい。
・トイレの窓が隣の玄関の前にあたり、開けたくても心境的に開けづらい。

 

解決のアイデア

家電や家具を設置した状態を想定し、窓の位置をシミュレーションするようにしましょう。また設計前に現地を見て回り、どこにどの部屋がくるのかイメージしておくことが大切です。

 

(2)失敗例

・リビングとダイニングの間にスリット窓を設置したものの、特にメリットを感じない。
・スリット窓で明るさを得られると思ったが、薄暗い程度だった。

 

◎解決のアイデア

スリット窓は、明るさが室内の照明で補える玄関や廊下、階段などに利用することで、デザイン性に優れた空間を演出することができます。また、設置場所を工夫すれば家の向きや時間によって、足元などを照らす程度の採光を確保することもできますが、照明として扱うのではなくあくまでデザインとして考えることが大切です。

 

(3)失敗例

・リビングに大きな窓を多くつけたら家具の配置が難しくなった。
・隣の家の窓と対面になり丸見えになってしまうので気になる。
・テレビの後ろに窓がきてしまい、昼間テレビが見えづらくなった。

 

◎解決のアイデア

まずはリビングに何を置くか考えましょう。リビングに置く家具に合わせて窓の数や大きさを考えるのも大切です。また、向かいの家や道路からの視線が気になる場合は、高窓を設けるのもおすすめです。

 

■ 窓の数・位置で失敗しないためのポイント

間取りや部屋の性格によって、窓の数・位置を決めるポイントは異なります。家族みんなでくつろぐリビングは、明るく開放的な空間にしたいもの。南面に大きな掃き出し窓を設けるパターンが王道です。ただ、テレビやテーブル、ソファなど家具も多い空間なので、どのようなレイアウトにしたいかを考えながら、窓の数・大きさや位置を決めましょう。住宅密集地など、外からの視線が気になる場合は、大開口よりも細長い高窓で採光や通風を確保するのがおすすめ。

 
最近では、リビングとダイニング・キッチンを一体化したLDKが人気です。奥にあるダイニングには光が届きにくいため、ダイニングにも窓を設けると、全体が明るいLDKができます。廊下や玄関、階段など、昼間でも照明をつけることの多い空間は、デザイン性に優れたスリット窓をつけるのも良いかもしれません。設置する位置を工夫すれば、足元ぐらいなら照らせる程度の採光も得られます。

 
トイレや洗面脱衣所には、外からの視線を遮りつつ換気のために、小さな高窓を設けることがあります。
眺望やデザインより機能が重視されるものなので、どこにつけたら開閉しやすいかを最優先に考えましょう。

 
建物の狭い壁面や細長いスペースにはめ込むスリット窓は、デザイン性という観点から優れているように見受けられます。スリット窓から縦に伸びる日差しは非常にきれいです。
しかし、部屋全体を照らすことはできないため、採光の面では優れていません。昼間でも薄暗く、電気の明りを必要としてしまいます。

 

■ 適切な場所に、適切な大きさの窓を

このように、窓の数や位置を計画するのは難しいものですが、かといって窓が全くない家というのも不自然。窓は、家になくてはならないものです。窓が本来持っている機能を正しく発揮させるには、設置する位置や数・大きさをきちんと考えて選ぶ、「適材適所」の考え方が欠かせません。ガラスやサッシの性能も大切ですし、軒や庇など、建築的な工夫も合わせるとより効果的です。

 
とはいえ、最近では窓の種類も増えているうえ、敷地の条件も千差万別。「失敗しない家づくり」を実現するには、専門的な知識が必要になります。専門家に相談しながら一緒に現地を見、日差しのシミュレーションなども行いつつ設計を進めていくことが、窓で失敗しない秘訣です。

 
藤村祐介
監修:藤村祐介:セイズ株式会社 住宅デザイン事業部 取締役
一級建築士、一級建築施工管理技士、インテリアプランナー。1981年生まれ、茨城県 出身。大学建築学科卒業後、東京、千葉、名古屋、大阪など首都圏を中心とした住宅設計に携わる。設計事務所、ディベロッパーを経て、2010年セイズ株式会社入社。2010〜2020で約600棟ほど狭小住宅のプランニングを行っている。

 

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