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【2020年版】Vol.48 玄関のちょうどよい広さとは?狭い玄関・広い玄関の特徴

2017.07.02(日) | 家づくり | 設備・仕様 | 間取り・収納 | 子育て

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玄関は、住まいの出入り口であると同時に、靴や傘など、日常の外出時には欠かせないものを収納する機能も持つ大事な空間です。また玄関は来客された方を最初にお迎えする空間であり、その家の印象を強める「顔」であり、重要な場所でもあります。一方で、広い玄関が最善の選択かと言えばそうではなく、広さに加えて、使いやすさについても考えなくてはなりません。

 

では、ちょうど良い玄関の広さとは、いったいどれくらいなのでしょうか。今回は、玄関の作り方のコツをご紹介しましょう。

 

<広さによって変わるメリット>
まず、玄関の広さの違いが、日常生活の中でどのように影響するか考えてみましょう。

 

■ 玄関が広い場合

・メリット

広い玄関は、家の中に持ち込めない、持ち込みたくないものを置くスペースが確保できるのが最大のメリットです。自転車やベビーカー、ストーブ用の灯油、厚手のコートや雨具、アウトドア用品…玄関なら、汚れていたり、濡れていたりしてもあまり気にせずに置けますし、バリアフリー化のためにスロープをつくるなど、年齢や家族構成に対応したリフォームもしやすくなります。

 

最近の話題といえば、これからの「ウィズコロナ時代」に対応して、玄関脇のウォーク・イン・クローゼットにバキュームシステムや洗面台を設置。身につけていたすべてのものからウイルスを家の中に持ち込みにくくする、家の中に持ち込まない、入らせない点を徹底した玄関も登場しています。

 

・デメリット

こうした玄関は、便利さや安全が確保できる一方、当然工事金額は高くなりがちですし、玄関以外のスペースは狭くなるのはデメリットとなるでしょう。設計の段階で、家全体と、玄関のバランスをきちんと考えなくてはいけません。

 

■ 玄関が狭い場合

・メリット

工事費用が安くすむ、他の空間が広くとれるのはもちろんですが、整理整頓がしやすいのもメリットでしょう。

 

広いがゆえに、いろいろなものを置きっぱなしにしがちなケースもしばしば目にします。むしろ、狭い玄関のほうが、スペースを有効活用しようという意識が働きやすいので、きちんと片付けられているケースも少なくはないようです。

 

その分、収納に使えるスペースが減り、不便さを感じることも増えるでしょう。屋外に収納、作業に使えるスペースを確保できれば良いでしょうが、防犯上のリスクもありますし、敷地によっては難しいこともありますよね。

 

・デメリット

玄関が狭い場合、物を置いたり収納したりするスペースがなくなり不便に感じる場面もでてくることでしょう。

 

たとえば、自転車の掃除や靴磨きといった室内に汚れを持ち込みたくない作業を行うときは、玄関の外で作業する必要がでてきます。また玄関に手すりやスロープといったバリアフリーに関するリフォームした場合、スロープの角度が急になったり、手すりで空間を圧迫される可能性があります。

 

■ちょうどよい玄関の広さは?

玄関の大きさを決めるときは、家とのバランスを考える必要があります。家族構成なども考えて玄関の広さを検討していきましょう。

 

玄関の標準的な広さは1.5坪(4.96㎡)と言われています。玄関の間口は、最低でも135㎝は取りましょう。これ以下だと狭く感じられます。奥行きも120㎝以上確保したいところです。奥行きに余裕がないと、上着を脱いだりしにくくなります。これらはあくまで基本。家の広さや家族構成によって、適切な面積は変わってきます。

 

※1坪は1.8m×1.8mで3.24㎡です。

 

・2人暮らしの場合

人の出入りが少なく家自体の規模も小さいなら、1坪でも大丈夫。2人分の靴箱を置いても、さほど邪魔にはならないでしょう。

 

・4~5人家族でお客の出入りが少ない場合

1.5坪前後がぴったり。土間とフローリングを0.75坪ずつ確保し、間口を160㎝にするのが良いでしょう。狭すぎる玄関は、二人以上が同時に使う際、ストレスを感じる原因になることも。

 

下足入れは、土間からフローリングに上がった正面に設置すると土間を広く取ることができます。2坪以上にできるなら、入ってすぐ脇の部分に下足入れを設置してみましょう。横の広さ、奥行きのどちらも広く感じられる空間になります。

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・家が大きく、人を招き入れることが多い場合

家でパーティを催したり、料理などの教室を開いたりするなど、大人数の来客が想定されるなら、玄関の面積は2坪以上にして広々とした空間を作りましょう。

 

3坪以上の玄関が作れるなら、シューズクローゼットや納戸の設置を。4坪以上を確保できるのであれば、脇に家族用のスペースを設け、家族と来客で動線を分ける方法もおすすめです。

 

・使いやすい玄関をつくるためのテクニック

狭い玄関を広く感じさせたいなら、玄関の上部を吹き抜けにする、横に鏡を置くなどの工夫が有効です。

 

土間と床の境にある段差のことを「框(かまち)」と呼びます。框が低すぎると、腰かけて靴を履いたり脱いだりしにくくなるので、ある程度の高さを確保しましょう(戸建て住宅の場合、150㎜~170㎜がスタンダード)。
以前の住まいと極端に高さが異なると、使いづらく感じることもあるので、新築やリフォームの際は、それまでの框の高さを測って伝えると良いかもしれません。

 

ただ、車椅子を利用する方や、介護が必要なご家族がいる場合、あるいは将来のバリアフリー化を考えているなら、框は低めにする方が良いでしょう。
この場合、ベンチを置いたり、一部を高くして腰かけられるようにしておくと、家族みんなにとって使いやすい玄関ができます。

 

框の下に照明器具をつけ、床を照らすようにすれば、夜遅く帰ってきたときも安心。

 

玄関も、リビングやキッチンと同様、あなたやご家族にとって使いやすい空間でなくてはなりません。住宅を建てるなら、玄関づくりにもぜひこだわってみましょう。注文住宅では建築士のアドバイスをもらえるはずです。広くする方法、広く見せる方法など相談してみることをおすすめします。

 
2017/07/02(日) 初出⇒2020/7/14更新

藤村祐介
監修:藤村祐介:セイズ株式会社 住宅デザイン事業部 取締役
一級建築士、一級建築施工管理技士、インテリアプランナー。1981年生まれ、茨城県 出身。大学建築学科卒業後、東京、千葉、名古屋、大阪など首都圏を中心とした住宅設計に携わる。設計事務所、ディベロッパーを経て、2010年セイズ株式会社入社。2010〜2020で約600棟ほど狭小住宅のプランニングを行っている。

 

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